血糖測定の目的
1日の中で血糖値は一定の値を保っているのではなく、食事やストレスといった様々な要因によって変動しています。
糖尿病の患者さんは、食事療法、運動療法、薬物療法を組み合わせて、健康な人の血糖変動と同じようにコントロールすることが目標となりますが、日頃の血糖値を確認したり、自分の血糖値が食事や運動の影響をどのように受けているのかを知ることで、より良好な血糖管理につながります。
血糖測定のメリット
・1日の血糖の変化を自分で知ることができる
・血糖値に応じてインスリンの投与量を調節できる
・治療計画に役立ち、より良い治療を受けられる
・低血糖やシックデイの対応に役立てることができる
血糖測定が健康保険の適応になる人
血糖値が不安定な人すべてに血糖測定は有効ですが、現在のところ健康保険適用の対象になる方は、インスリン注射剤やGLP-1注射剤で治療中の患者さんに限られています。
外来では『血糖自己測定器加算』という診療報酬が、血糖測定値に基づく指導を行うために血糖測定を使用した時に適用されます。この診療報酬はひと月に一回のみ算定され、血糖測定のためのセンサー、針、穿刺具などの消耗品や、測定器の費用を含んでおり、測定の回数に応じてひと月にお渡しできる消耗品の数も決まります。
また、別にかかる費用として、インスリン注射製で治療されている方には『在宅自己注射指導管理料』がかかります。妊娠中の方は『在宅妊娠糖尿病患者指導管理料』がかかります。
当院で取り扱っている血糖測定器
SMBG(Self Monitoring of Blood Glucose)
血糖測定器を使って、自身で血糖値を測定することを血糖自己測定(Selfmonitering Blood Glucose:SMBG)と言います。
当院で採用しているSMBG機器
ライフスキャン社のワンタッチベリオリフレクト、テルモ社のメディセーフ フィットスマイルを採用しています。インスリンやGLP-1注射薬を使用中の患者様は、保険診療でこれらの機械を貸し出しして血糖測定を行うことが可能です。
ワンタッチベリオリフレクト(製品HP🔗)
軽量でカラー液晶を採用している機器です。測定に必要な血液量が0.4µLと少量なため、穿刺時の痛みも抑えることができます。
メディセーフ フィットスマイル (製品HP🔗)
高齢者でも使いやすい、音声ガイドと大きなボタンを搭載している機器です。カラー表示が可能で液晶も大きく見やすいですが、少し重量もあります。
FGM(Flash Glucose Monitoring)
皮下に刺したセンサーで間質液中の糖濃度を持続的に測定し、血糖変動を知ることが出来る医療機器です。センサーからデータを読み取ると、その瞬間の血糖値と過去数時間の血糖変動データが表示されます。
指先からの血糖測定が困難な場合、血糖変動や睡眠中の血糖値を確認したい場合に適しています。
当院で採用しているFGM
FreeStyleリブレ (製品HP🔗)
痛みなく、いつでも、どこでも、服の上からでも、1秒で測定でき、その時の間質液中のグルコース値・トレンド・過去8時間の履歴が分かります。センサーは耐水性で入浴中、水泳中も装着することが可能で、最長14日間の血糖値のデータを記録します。
CGM(Continuous Glucose Monitoring)
皮下に刺したセンサーで間質液中の糖濃度を持続的に測定し、1日の血糖変動を知ることが出来る医療機器です。FGMは自分で測定操作を行うことで過去数時間の血糖変動を記録できるのに対し、CGMは常に血糖変動が自動で測定・記録される点が違います。またCGMでは、アラートで低血糖や高血糖を知らせる機能もあります。
当院で採用しているCGM
メドトロニック社のガーディアン™4スマートCGMシステム、Dexcom社のDexcom G6 CGMシステムを採用しています。