はじめに
花粉症 は、植物の花粉が鼻や目などの粘膜に接触することで引き起こされるアレルギー疾患です。発作的で反復するくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみなどの症状が特徴です。北海道の大半と沖縄を除き、スギ花粉が原因となる場合が多いとされています。
現在、日本人の3人に1人が花粉症と言われており、一度発症すると治りにくいため今後も患者数は増えていくと言われています。「今まで大丈夫だったから」という方も油断はできません。ある日突然発症し、その後は毎年症状に悩まされることも珍しくありません。
花粉症の症状と日常生活への影響
主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻詰まり、目のかゆみで、「4大症状」と呼ばれます。
症状が出始めると、仕事や家事に集中できない、マスクやティッシュが手放せないなど、日常生活に大きな支障をきたします。また、症状を気にして外出を控えたり、花粉予報に一喜一憂したり、鼻のかみすぎによる痛みや睡眠不足に悩まされたりと、その影響は計り知れません。
関西地区の花粉カレンダー
春先は、2月から3月にかけてピークを迎えるスギ、3月に多く飛散するハンノキ属(主にオオバヤシャブシ)、4月はヒノキ科と、花粉の飛散量が増加します。
また、秋のヨモギ属やブタクサ属による花粉症にも注意が必要です。
他の病気との鑑別
◍ 風邪との違い
花粉症は「水のようなサラサラした鼻水」と「目のかゆみ」が特徴で、花粉の多い屋外で症状が強くなります。一方、風邪の場合は目のかゆみを伴うことは少なく、鼻水は数日で粘り気のある黄色や緑色のものに変化します。
◍ 他のアレルギーとの違い
屋内で症状が強くなる場合は、ホコリやダニなどのハウスダストによるアレルギー性鼻炎が疑われます。また、スギ花粉の飛散前から症状が出る方もいます。これは微量の花粉に反応している場合もあれば、冬の乾燥や冷気が刺激となっている場合もあります。
血液検査でアレルギーの原因物質を特定することもできますので、お気軽にご相談ください。
◍ アレルギー検査について
症状の原因となっているアレルゲン(抗原)を調べることができる検査です。
※治療目的のアレルギー症状がある場合は保険適用ですが、症状が無い場合は自費となります。
※Viewアレルギー39検査:
39項目のアレルゲンに対して、0~6の7段階で判定した結果を下の様な表でお知らせします。
費用:3割負担の方で 約6000円です (初診料 + 検査判断料 + 結果説明時の再診料を含む目安)。

※MAST48mix検査:
上記と同様の検査ですが、イネ科植物、カビなどの項目が混合(mix)されており、合計48項目を判定できます。より多くの項目を調べたい場合に適しています。
花粉症の治療
◍ 治療の種類
● 薬物療法(対症療法):最も一般的な、薬で花粉症の症状を抑える治療です。
抗ヒスタミン薬、ロイコトリエン受容体拮抗薬、ステロイド薬などを使用します。
● 免疫療法(根治療法):花粉症の原因となるアレルゲンを少量ずつ体内に取り込み、体を慣らして治癒を目指す治療法です。適応はスギ花粉とダニアレルギーのみで治療期間は3~5年、治療成功率は60%程度です。流行期には開始できないなど、治療開始には条件があります。
● その他(レーザー治療、当院では実施していません)
鼻の粘膜を焼却処理し、アレルギー反応を起きにくくする方法です。薬を減らせるメリットがありますが、効果が永続しない(2~3年程度)、鼻以外の症状には効果がない等のデメリットもあります。
◍ シーズン前の対策(初期療法)
もし花粉症の症状が出なければ… 今よりも症状が軽ければ… とお悩みの方は多いと思います。
実は、毎年花粉症に悩まされている方でも、本格的な飛散シーズンの少し前から薬の内服始めることで、ピーク時の症状を軽減することができます。今年からは「早めの予防」を始めませんか?
◍ 市販薬と処方薬の違い
花粉症の治療を市販薬で済ませてしまう方も多いと思います。
処方薬の場合は医療機関を受診する必要がありますので、手間をかけたくない、なかなか時間が確保できない方にとって市販薬は大きな味方ですが、処方薬は医師が一人ひとりの患者さんを診察した上でお薬をお出ししますので、お悩みの症状に対してより適切に対応できます(選択できる薬も多く、治療効果の高い薬も使用できます)。
また、費用の面でも、保険適用となる処方薬の方が自己負担額が少なく済むケースが多くあります。
効果と費用の両面でおすすめですので、ぜひご検討ください。
ご自身でできる花粉対策
何よりも「花粉を吸い込まないこと」が大切です。
◍ 天気予報で花粉情報をこまめにチェックする。
◍ マスクを着用し、吸い込む花粉量を減らす。花粉用マスクを使用すれば、さらに吸い込む花粉量を減らすことができます。またマスクの内側に湿らせたガーゼを挟むとより効果的です。
◍ 花粉対策メガネを活用し、目に入る花粉を防ぐ。 最近では様々な花粉症対策のメガネが登場しています。


























